居心地の良いフランス料理店であるために大切な雰囲気づくりとは?
フランス料理店というと、高級なお店をイメージすることの方が多いかもしれませんが、最近ではカジュアルなフランス料理店も増えてきています。
どんなコンセプトのお店を経営する場合でも、お客様には楽しい時間を過ごしてほしいもの。
お客様にとって居心地の良いフランス料理店であるためには、お客様の来店目的とお店のサービスの温度感が合うことがとても大切です。
多くの日本人にとってフランスやフランス語が身近ではないからこそ、お店のコンセプトをお客様やスタッフにしっかりと伝える必要があります。
お客様にとって居心地の良い、素敵な雰囲気を作り上げていきましょう。
フランス料理店といってもお店の雰囲気はさまざま
フランス料理店は、今や高級店ばかりではありません。
グランメゾン、オーベルジュ、レストラン、ビストロ、ブラッスリー、カフェと、お店によって特徴が大きく異なります。
グラン・メゾンは、ミシュラン三つ星クラスの最も高級なお店。 オーベルジュ、レストランも、きちんとした服装で入る必要がありますので、一般的にイメージされるフランス料理店といえるのではないでしょうか。
ビストロは、気軽にフランス料理を食べられるカジュアルなお店。 ブラッスリーやカフェも飲み物と一緒に気軽な食事ができる場所です。 これらは、服装やテーブルマナーを気にすることなく食事を楽しめるのが嬉しいポイントです。
お客様の目的に合わせて、使い分けてもらうことがとても大切です。
高級なフランス料理店は、華やかひと時を過ごす場所
グラン・メゾン、オーベルジュ、レストランは、特徴がそれぞれ異なりますが、高級感のあるフランス料理店といえるでしょう。
中には、日頃からフランス料理店を利用する富裕層のお客様もおられますが、多くのお客様にとって背筋を伸ばして来られるお店です。
次のような目的があるお客様にも、フランス料理店はよく選ばれます。
大切な人の誕生日、還暦のお祝い、親しい同僚の出世などのお祝いで来店されるケースです。
普段はなかなか食べられない贅沢な食事を楽しみたい、という想いでフランス料理店を選んでいます。
この場合は、店内の優雅な雰囲気や、心に残る接客を期待されています。
高級なフランス料理店は、夫婦やカップルの大切な日にも利用されることが多いもの。
お客様は、非日常な空間での思い出づくりを期待しているため、最高のおもてなしを受けたいと感じています。
料理の美味しさはもちろんですが、店内は静かで落ち着いた雰囲気であることを求めています。
カジュアルなフランス料理店は、肩肘張らず日常使いできる場所
「いつもと違った雰囲気を味わいたい」、「フランスを訪れた気分を味わいたい」、「美味しい料理で日頃の疲れを癒やしたい」、などの目的でフランス料理店に来られるお客様もおられます。
そんなお客様の中には、高級なフランス料理店は敷居が高い、高級店は緊張して食事を楽しめない、などと苦手意識を持っている人もおられます。アットホームな雰囲気が心地良いのです。
お客様は次のような目的でカジュアルなフランス料理店によく来られます。
やはり女性はフレンチやイタリアンが好きな人が多いもの。 特別な行事などなくても、女性同士でおしゃべりをしながら、気軽にフレンチを楽しみたいと感じています。
フランス料理は好きだけど、「高級店は気を遣ってしまうから苦手」「テーブルマナーに気を取られて疲れてしまう」という人もたくさんいます。
ちょっとくらい店内がにぎやかな方が居心地が良い人も多いでしょう。
日常的にフランス料理を楽しむ日本人はおそらく少ないものです。 一人でちょっとした贅沢を楽しみたい人もおられるでしょう。
ただ、高級なフランス料理店に一人っきりで入店するのは、あまりにもハードルが高いため、カジュアルなお店を選びます。 一人のお客様は、過度なサービスを求めておらず、気軽な接客を求めています。
アットホームな雰囲気があるお店は、一人でも入りやすいものです。
スタッフやお客様にはコンセプトをきちんと伝えることが大切!
フランス料理店でいえることは、日本人にとってフランス語もフランス文化も身近ではないこと。
例えば、外観に「Bistro(ビストロ)」や「Brasserie(ブラッスリー)」と表記したところで、どんなお店なのかを正しく想像できる人は少ないのです。 そのため、まずはスタッフ全員にお店のコンセプトやオーナー様の想いをしっかりと伝えることから始めましょう。
スタッフがお店の方向性を正しく理解していないと、立ち振舞いやお客様との関わり方など、さまざまな場面でズレが生じてしまいます。 すると、そのズレをお客様がそのまま受け取ることになるのです。
高級店であれば、スタッフの接客マナーや身だしなみに問題はないか、お店の外観・内観が洗練されているか、といったことがポイントとなります。
一方、カジュアルなお店であれは、外観がフォーマルすぎて入店しにくいくはないか、スタッフの接客や服装が堅苦しくないか、といったポイントを見直す必要があります。
初めて来られるお客様に、スタッフから簡単にお店を紹介するお声がけがあると、ストレートに伝わりやすくなるでしょう。
スタッフとともにコンセプトにあった雰囲気づくりを
フランス料理店といってもお店によってコンセプトはさまざまで、高級感漂うお店や、隠れ家のようなお店、家庭的なお店もあります。
お客様をお迎えする側としては、お客様の来店される目的に見合った雰囲気であることがとても重要。 期待していた雰囲気と違った場合には、お客様の満足感は上がりません。
看板やメニューに「ビストロ」と記載しても、スタッフやお客様にはコンセプトが十分に伝わることはないものと捉えることが大切。 スタッフとは、お店の方向性やあり方について定期的に会話をしましょう。
サービススタッフはお店の顔です。 どのスタッフがお客様の対応にあたっても、コンセプトに見合った接客ができるようになれば、お客様にもお店のイメージが正しく伝わります。
スタッフとともに、雰囲気の良いフランス料理店を作り上げていきましょう。