イタリア料理店に行くときの服装マナーは?
イタリア料理店で働くスタッフは、お客様の服装マナーの基本を理解しておく必要があります。
というのは、お客様の服装マナーに問題があったり、スタッフがマナーを理解していなかったりすると、
不快に感じられるお客様もおられるからです。
厳密なドレスコードを設けていないお店でも、服装のマナーを理解しておきましょう。
今回は、イタリア料理店に行く際の、お客様の服装マナーについて解説します。
INDEX
〔1〕ドレスコードの名称を覚えましょう
イタリア料理店に限らず高級店では、お客様に心地よい時間を過ごしてもらうために、ドレスコードを設けているお店が多くあります。
ドレスコードの名称はたくさんありますが、その中でもよく見かけるのが、 「フォーマル」、「セミフォーマル」、「エレガンス」、「スマートカジュアル」など。 これらの意味を理解しておきましょう。
〔1-1〕フォーマル
フォーマルは、正装を意味し、数あるドレスコードの中で一番格式の高い服装といえます。
男性の場合は、タキシード、モーニングコート、テールコートがフォーマルにあたります。 持ち合わせでは対応できない場合がありますので、あらかじめ準備しておきましょう。
女性の場合は、結婚式や式典に参加する時のきちんとした服装をイメージしてみてください。 ドレスを着用することが一般的です。 華やかさがありながらも、色物は避け、肌の露出は抑えて上品にまとめることが重要なポイントです。
〔1-2〕セミフォーマル
セミフォーマルは、準礼装のこと。フォーマルの次に格式の高い服装といえます。
男性の場合は、ブラックのスーツやディレクタースーツを着用し、ネクタイは必須です。
女性の場合は、友人の結婚式のお呼ばれなどで着る服装のイメージです。 派手でなければ、色物でも問題ありません。 シフォンやレースのワンピース、パーティードレスなどを着用します。
〔1-3〕エレガンス
エレガンスは、上品な美しさや気品、優雅という意味の言葉。 フォーマルと近いイメージで、「エレガンス」と指定される場合があります。
さらに、「スマートエレガンス」や「カジュアルエレガンス」という言葉まで存在します。
スマートエレガンスでは先ほどの「フォーマル」を意識し、カジュアルエレガンスでは「セミフォーマル」を意識しておくと問題ありません。
〔1-4〕スマートカジュアル
スマートカジュアルに定義がある訳ではありませんが、次のようなニュアンスです。
「かしこまる必要はないけれども、上品な服装をしてきてください。」
男性の場合は、スーツではなくともジャケットを羽織る必要があります。襟付きのシャツ、センタープレス入りのパンツなどできちんと感を保ち、革靴を履きましょう。
女性では、ドレスを着る必要はありませんが、ワンピーススタイルやブラウスにAラインのスカート、フレアスカート、ヒールなどがおすすめです。
避けるべき服装は、膝上のスカートやパンツ、Tシャツ、ポロシャツ、デニム、サンダル、スニーカーなどの普段着と見られるもの。理解しておきましょう。
イタリア料理店は、フランス料理店と比べると、少しカジュアルな印象をもたれやすいようです。 とはいえ、ドレスコードをきちんと意識するお客様がたくさんおられます。 そのようなお客様への配慮は、高級店でない場合でも大切です。
〔2〕イタリア料理店に行くときの服装の目安
最近ではお客様にドレスコードの指定をしないイタリア料理店も多い傾向です。
しかし、イタリア料理店の業態によってお店の格式をある程度予想できるため、格式に準じた服装で来店するお客様が多いもの。業態別のふさわしい服装の目安を紹介します。
〔2-1〕リストランテ
リストランテは、高級なイタリア料理店ですので、フォーマルな装いが求められます。
仕事が終わってから向かう場合にも、ビジネススーツやオフィスカジュアルで行くのではなく、正装に着替える必要があります。
〔2-2〕トラットリア
トラットリアは、本格的なイタリア料理を味わえるお店。 お店によって雰囲気は異なりますが、コース料理がメインの比較的高級なお店が多いです。
セミフォーマルか、スマートカジュアルを意識すると良いでしょう。 お店のホームページがあると、お店の格式をイメージできますので参考にしてみてください。
〔2-3〕オステリア・ピッツェリア・バールなど
オステリア、ピッツエリア、バールなどの業態では、普段どおりの服装で問題ありません。
居酒屋やカフェに行くときと同じ感覚。自由な服装で行けるお店です。
おおまかな目安を紹介しましたが、もし心配な場合は、お店に相談すると安心です。
〔3〕イタリア料理店に行くときの服装の目安
服装が心配な場合には、予約の電話で服装について質問するお客様もおられます。 ドレスコードを明確に定めていないお店でも、どのように伝えるのかをお店で統一しておくことが必要です。
ファッションやマナーに詳しいお客様ばかりではありません。 曖昧な表現や難しい言葉を使わず、シンプルに分かりやすく伝えましょう。
また、フォーマルな服装で来られたお客様のすぐ隣のテーブルに、セミフォーマルに満たない服装のお客様を通すのは、可能な限り避けておきたいところ。
ドレスコードに明確な正解がある訳ではありませんが、お客様はTPOに合わせてふさわしい装いを選んで来られています。できる限り配慮し、お客様にとって優雅な時間を提供しましょう。
〔4〕服装マナーを理解しお客様の満足度を上げましょう
最近では比較的カジュアルなイタリア料理店が増え、ドレスコードを設けていないイタリア料理店も多くなりました。
それでも、日本人にとってイタリア料理店やフランス料理店は、非日常的で優雅な場所であることが多いもの。 せっかくイタリア料理店に行くのだからと、服装マナーをきちんと守るお客様は多くおられます。
今回は、イタリア料理店の服装マナーについて紹介しました。
ドレスコードを設けているお店はもちろんですがそうでない場合も、イタリア料理店のスタッフは、ドレスコードの基本について理解しておきましょう。
お客様から服装の相談を受けたときにはスムーズに回答できたり、服装に応じてテーブルへの案内に機転を利かせたりすることで、お客様の満足度が上がります。
服装マナーを理解し、すべてのお客様にとって心地よい空間づくりを心がけましょう。